福島の太陽光パネルリサイクル事業化へ向けた取り組み事例
福島の先端的な再生可能エネルギー・リサイクル技術の確立へ
福島県は、「2040年頃には県内エネルギー需要の100%以上相当量を再エネから産み出すこと」を目標とし、2014年6月に福島県の浜通り地域などにおける新たな産業の創出を目指す、「福島イノベーション・コースト構想」しています。廃炉研究、ロボット、エネルギー、環境・リサイクル、農林水産分野等を重点分野に置いています。
再生可能エネルギーを核とした産業の育成・集積を図り、地域経済の復興・再生に取り組んでおり、太陽光パネルや石灰石等の先端的なリサイクル技術開発の取組等を推進しています。
ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会
そのような中で、2015年8月に「ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会」を設立しました。令和3年7月1日現在、会員数184企業・団体となっております。
研究会の目的や活動内容は以下の通りです。
<目的>
- 環境・リサイクル分野において、県内外で産学官に よるネットワークを形成し、研究開発や⼈材育成等に取り組むことで会員の技術基盤の強化と持続可能なリサイクルのシステムの構築を図り、新たな事業を⽣み出す。
- 以上を通じて、2020年に向けて浜通り地域を中⼼に新たに環境・リサイクル産業の集積を進める。
<活動内容>
- 環境・リサイクルに関する発表会、意見交換会の開催
- 環境・リサイクル関連メーカーと県内企業との交流事業
- 関連技術情報の共有化及び発信するための事業
- その他、本研究会の目的を達成するために必要な事業
4つの事業テーマ毎にWGを設置し、関連企業による協業の可能性について検討しています。
<設置ワーキンググループ>※H28.8現在
①⼩型家電リサイクルの事業化WG
⇒福島県広域収集モデルを検討
②太陽光パネルリサイクル事業化WG
⇒リサイクルシステムの在り⽅を検討
③⽯炭灰リサイクル事業化WG
⇒販路開拓・研究開発等を検討
④浜通りにおける廃棄物処理システム構築WG
⇒廃棄物処理システムの在り⽅を検討
太陽光パネルリサイクル事業化WG
福島県は太陽光発電の新規認定容量が全国で2番目の多さ、稼働容量も上位にあるため(平成29年2月22日時点)、将来的な太陽光パネル大量排出問題は喫緊の課題であります。
そのため、②の太陽光パネルリサイクル事業化WGでは、「NEDOの太陽光発リサイクル技術開発プロジェクトの情報を参考にしながら、技術⾯だけではなく収集⽅法・コストを課題として、リユースを含めたリサイクル全体のスキームを検討」していくとしています。
方向性として、「将来(2040年)、大量の太陽光パネル排出を待たずに、排出者の利便性を高めながら、組合形式(事業のワンストップ化) を立ち上げ、福島県から発信できるリユース・リサイクルの “ふくしまモデル”を目指す。」とし、「オンサイトで判定判別の実証実験を行い、多種多様なPVリ ユース・リサイクル品を1箇所に集めた“ワンストップ化”(産業集積)を図る」ことを示しています。
実現に向けて、リユースとリサイクルの境界の明確化を課題のひとつにあげており、資料の中で判定判別の実証実験の例として、新栄電子計測器(株)のドローン診断システム・赤外線サーモグラフィ搭載機の事例を紹介しています。
<判定判別の手順>
1)太陽光発電所に高性能赤外線カメラを搭載したドローンを飛行させ、太陽電池を撮影し、不良モジュールを発見する。
2)基本的にモジュールは、発電設備からすべて外し、目視検査と計測器による検査を行う。
3)その結果から再利用・破棄の判断を行う。
【参考URL】
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/pdf/031_04_00.pdf
福島イノベーション・コースト構想の推進について(環境・リサイクル分野) 資料4
平成29年2月28日 経済産業省 産業技術環境局 リサイクル推進課
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/life/262905_620002_misc.pdf
ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会 太陽光パネルリサイクル事業化 ワーキング・グループ
平成29年2月22日
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/life/259143_609368_misc.pdf
ふくしま環境・リサイクル関連産業研究会 報告
平成28年8⽉24⽇ 福島県 産業創出課
https://www.fipo.or.jp/news/8029
福島イノベーション・コースト構想 WEBサイト