太陽光パネルの未来を変える挑戦:リープトンエナジーと新見ソーラーカンパニーの水平リサイクル
太陽光発電の普及とともに、使用済み太陽電池モジュールの廃棄処理が大きな課題となっています。こうした背景の中、リープトンエナジー株式会社と株式会社新見ソーラーカンパニーが新たな取り組みを開始しました。その鍵となるのが、パネルを再資源化し、新しいモジュールへと再生する「水平リサイクル」の研究です。
この協業の一環として、「還ってくるサステナパネル」という新サービスが導入されました。このサービスでは、販売された太陽電池モジュールに「買取保証」を付帯し、不要になったパネルを有価物として買い取ります。その後、回収されたパネルは分解・リサイクルされ、再資源化の研究に活用されます。
新見ソーラーカンパニーが開発した「佐久本式ソーラーパネル熱分解装置」は、燃焼を伴わずに高温水蒸気でパネルを分解する画期的な技術です。この方法により、ガラスや太陽電池セル、銅線といった構成要素を高純度で抽出可能にしました。従来のリサイクル手法と比較して、環境負荷を大幅に軽減できる点が特徴です。
リサイクルパネルを中心とした「PVリボーンパーク」の実現を最終目標に、両社は技術開発を進めています。この取り組みは、2050年のカーボンニュートラル目標に貢献し、太陽光発電の持続可能な未来を支える重要な一歩となるでしょう。
今回の協業は、太陽光発電業界が直面する課題に対する革新的な解決策として注目されています。水平リサイクルを通じて、エネルギーの循環型社会への移行がさらに加速することを期待したいです。
◆株式会社新見ソーラーカンパニー
2009年創業。ソーラーパネルの販売施行を行っている中で、販売をした責任としてソーラーパネルのリサイクルについて研究を重ねる。2019年ものづくり補助金で製作した佐久本式熱分解装置を活用して、リサイクル装置の研究・開発、販売を行っている。
◆リープトンエナジー株式会社
2012年に神戸で設立以来、太陽光発電のシステムメーカーとして太陽電池モジュールやアルミ架台の製造・販売を行っている。自社工場で生産される太陽電池モジュールは太陽電池モジュールの格付け「Tier1」にも連続で選出されており、世界的評価を得ている。