米国:SEIA、太陽光・蓄電業界向け初の「サーキュラーエコノミー・ロードマップ」を発表

【ワシントンD.C. 2025年7月】
米国太陽エネルギー産業協会(SEIA)は、太陽光発電と蓄電業界における循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた初の包括的なロードマップを公表しました。米国の電力網における新規電源の大半を太陽光・蓄電が占める中、今後の課題となる「役目を終えた設備の責任ある管理」に対し、産業界全体の対応指針を提示したかたちです。
このロードマップでは、資源消費に依存しない経済成長を目指す循環型モデルの重要性を強調。製品寿命の延長、資源の再利用、リサイクル材料の需要創出を通じて、業界の持続可能性、コスト削減、エネルギー安全保障の強化を図るとしています。

背景と展望
SEIAの代表であるアビゲイル・ロス・ホッパー氏は「私たちのビジョンは、製品寿命を延ばし、廃棄物を減らしながら、経済的機会と環境への恩恵を生むこと」とコメント。本ロードマップには、実現に向けた具体的なアクションプランと実行スケジュールが盛り込まれています。

主なアクションプラン(抜粋):
⚫︎ 太陽光・蓄電機器のリサイクル・再使用・廃止措置に関する全国基準の策定
⚫︎ 再生原材料への需要を創出するためのメーカー支援
⚫︎ 零廃棄物(Zero Waste to Landfill)モデルや最適な施設配置の指針整備
⚫︎ 廃棄物処分よりも資源回収が容易かつ安価になる制度改革の推進
⚫︎ プロジェクト撤去時の財務保証要件を満たす契約文言の開発
⚫︎ 全国規模の回収ネットワーク構築のための設計・物流効率化
⚫︎ 米国内初となるサステナビリティ業界会議の開催

これらの基準は2026年までに実装開始予定であり、SEIAは企業・政府機関・NGO・学術機関・廃棄物業界など幅広い関係者との連携によって段階的に展開していく方針です。
循環型経済の導入は、太陽光・蓄電産業の国内製造基盤とサプライチェーンの強化にもつながり、資源制約や市場変動リスクへの対応力を高めると同時に、雇用創出や地域経済の成長にも寄与することが期待されています。

A Vision for Implementing the Circular Economy in the Solar and Storage Industry

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