福島の3カ所に次世代太陽電池、政府が年度内に
福島で進む次世代太陽電池と水素エネルギーの実証事業
政府と福島県は、環境に優しい再生可能エネルギーの普及を加速させるため、2024年度内に福島県内の3カ所に「ペロブスカイト太陽電池」を設置する方針を発表しました。この次世代太陽電池は、従来のパネルと比べて軽量で柔軟性があり、曲面やビルの壁面など、設置場所の選択肢が広がるのが特徴です。ペロブスカイト太陽電池は、発電効率や耐久性に課題が残るものの、将来的に広範囲で活用できると期待されています。
実証事業の設置場所と特徴
ペロブスカイト太陽電池は、以下の3カ所に設置されます。
Jヴィレッジ(楢葉町、広野町): 芝生の周囲に曲げて設置され、曲面での性能を確認
あづま総合運動公園(福島市): 公園内に設置し、公共施設での利用を検証
福島県立博物館(会津若松市): 公共施設のモデルケースとして設置
これらの施設での実証実験を通じ、今後は高速道路脇の斜面やその他の公共施設への展開も予定されています。また、今回の取り組みは、2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を目指す政府の方針の一環であり、再生可能エネルギー導入拡大の切り札とされています。
水素エネルギーの実証実験も並行して進行
さらに、福島県では水素エネルギーの実証実験も進んでいます。浪江町にある「福島水素エネルギー研究フィールド」では、2026年度以降の商用運転を視野に入れ、水素の製造・供給技術を確立するための実証実験が行われています。水素エネルギーは、将来的に化石燃料に代わるクリーンエネルギーとして期待されており、2023年に成立した「水素社会推進法」では、価格差補助制度の導入なども進められています。
このように、福島県は再生可能エネルギーの最先端技術であるペロブスカイト太陽電池と水素エネルギーの実用化を目指し、次世代のエネルギー社会を実現するための取り組みを進めています。これらの実証事業は、持続可能なエネルギー社会への大きな一歩となるでしょう。
<参考URL>
https://www.sankei.com/article/20240910-LCENNVEAG5MJBIPOQPYBK53ZKM/