アメリカ・テキサス州:再生可能エネルギー設備のリサイクル義務化を盛り込んだ規制強化法案、下院を通過
テキサス州下院は2025年5月1日、使用済みの太陽光パネルや風力タービンのリサイクルを義務付ける「再生可能エネルギー規制強化法案」を可決しました。再エネ設備の急増に伴い、今後の大量廃棄に備えた制度整備が急務とされる中、同法案は州内の廃棄物処理体制の強化と環境保全を目的としています。
法案の概要
今回可決された法案では、再生可能エネルギー事業者に対し、廃棄される設備のコンポーネントについて「再利用またはリサイクル可能な処理」を行うことを義務づけています。加えて、リサイクルが困難な部材についても、適切な方法での廃棄が求められる設計です。
また、土地所有者と発電事業者の間で締結される契約においては、設備撤去と処理にかかる推定費用の提示が義務づけられるなど、透明性確保と責任の明確化が図られています。
加えて、リサイクル施設の報告義務や財務保証の提出も盛り込まれており、過去に問題となった処理業者の不履行リスクに対応する内容となっています。
背景と今後の展望
テキサス州では、風力・太陽光を中心とした再生可能エネルギーの導入が急速に進む一方で、設備の寿命に伴う大量廃棄が懸念されていました。特に、風力タービンのブレードや太陽光パネルは素材の特殊性から処理が難しく、適切な回収・再資源化の仕組みが求められていました。
今回の法案は、設備のライフサイクル全体にわたる環境負荷の低減を目指すものであり、上院での審議と州知事の署名を経て、正式な施行が予定されています。