日本:エヌ・ピー・シー、割れガラス太陽光パネル対応の新リサイクル装置を提供開始
【東京 2025年12月15日】
株式会社エヌ・ピー・シーは、太陽光パネルリサイクル装置の新製品として「割れガラス分離装置」を開発し、2026年4月より提供を開始すると発表した。本装置の投入により、同社の太陽光パネルリサイクル装置の製品ラインアップは4種類となり、ガラスの割れ有無にかかわらず処理可能な体制が整う。
背景と課題
近年、災害や運搬中の衝撃などにより、カバーガラスが破損した太陽光パネルの発生が増加している。従来、割れガラスパネルは破砕処理が主流であり、ガラスとセルシートの分離精度や再資源化品質の低下、騒音問題が課題とされてきた。特に、割れたガラスを含むパネルの水平リサイクルは技術的なハードルが高く、対応できる装置は限られていた。
技術のポイント
① 特殊機構による高精度分離技術
本装置は、割れたカバーガラスを特殊な機構でかき取ることで、ガラスとセルシートを分離する仕組みを採用。分離後のセルシートへのガラス付着率、ガラス側へのセル・EVA混入量はいずれも、従来の破砕処理より優れた結果を示している。
② 既存装置との組み合わせによる対応範囲拡大
同社はこれまで、ガラス分離装置およびEVAスクレーパーにより、割れていないパネルの水平リサイクルを実現してきた。今回の割れガラス分離装置の追加により、割れたパネルについてもリサイクル性を大きく向上させることが可能となる。
③ 低騒音・省スペース設計
割れガラス処理装置で課題となりやすい騒音について、本装置は音圧レベル約80dBと低水準を実現。加えてコンパクト設計のため、省スペースでさまざまな規模の処理工場に導入できる。
性能・仕様
処理スピード:約60秒/パネル
装置構成:投入・排出コンベアを含む単体装置
騒音レベル:約80dB
提供開始時期:2026年4月1日
想定価格:約3,000万円前後
効果と展望
本装置の導入により、割れガラスを含む太陽光パネルのリサイクル対応力が向上し、再資源化率の改善と処理現場の環境負荷低減が期待される。エヌ・ピー・シーは今後も、多様化する太陽光パネルの状態に対応したリサイクル装置のラインアップ拡充を進め、市場ニーズに応えるとしている。