日本:東京海上日動、太陽光発電事業者向け積雪通知・除雪補償特約を提供開始
【東京 2025年12月19日】
東京海上日動火災保険株式会社は、2026年1月より、太陽光発電事業者向けに「積雪通知および除雪一時費用保険金補償に関する特約」の提供を開始すると発表した。本特約は、東京海上レジリエンス株式会社が提供する積雪監視サービスを組み込んだもので、積雪状況の可視化と除雪費用補償を一体化することで、雪災による設備破損事故の未然防止を図る。
背景と課題
近年、太陽光発電施設では水災や土砂災害に加え、積雪によるパネルや架台の損壊事故が増加している。日本損害保険協会の調査によると、太陽光発電設備の事故に伴う保険金支払いのうち、雪災は26%を占め、水災や風災を上回る最大要因となっている。
特に中小規模の太陽光発電施設では、常時監視体制や迅速な除雪判断が難しく、実際の被災事例では「積雪状況を把握できていなかった」「除雪の判断タイミングが分からなかった」といった課題が顕在化している。積雪事故は、長期の売電停止による収益損失だけでなく、保険制度の持続性にも影響を及ぼすリスクをはらんでいる。
特約のポイント
① 積雪状況を可視化するアラート機能
積雪量に応じて除雪を推奨する積雪アラートを提供。リアルタイムで状況を把握できるクラウドカメラにより、事業者は遠隔から除雪判断が可能となる。
② 除雪判断と補償を連動
破損警戒のおそれを示すアラートが発報された場合、除雪事業者によるフォローコールを実施。アラートに基づき除雪作業を行った際には、除雪一時費用保険金が支払われる仕組みを採用している。
③ 事故予防型の保険設計
従来の「事故発生後の補償」にとどまらず、積雪による破損事故そのものを防ぐことを重視。事業継続性の確保と、安定的な補償提供の両立を目指す。
導入効果と展望
本特約の提供により、太陽光発電事業者は積雪リスクへの対応力を高め、設備破損や売電停止リスクの低減が期待される。東京海上日動および東京海上レジリエンスは、今後も再生可能エネルギー分野におけるリスクマネジメントの高度化を通じて、太陽光発電事業者の安定的な事業継続と再エネの普及拡大に貢献していくとしている。
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/251219_01.pdf