新見ソーラーカンパニー、熱分解装置の特許取得。
前回、岡山県の企業が太陽光パネルのリサイクルで新技術!約95%をリサイクル可能な熱分解処理法を開発。にてご紹介した、新見(にいみ)ソーラーカンパニーが、廃棄された太陽光パネルを高いリサイクル率で分解できる熱分解装置の特許を2021年9月7日に取得し、8月17日には中国の実用新案にも登録したことを発表しました。
太陽光パネル処理技術の課題
現在、埋め立て以外の処理技術は以下が課題として挙げられていました。
・封止剤(EVA)とガラス・太陽電池(セル)が密着している(以下、図参照)ため、ガラスと太陽電池(セル)の分離抽出不可能である。つまり、選別分離する後工程が必要
・封止剤(EVA)とバックシートが有機物のため、燃焼処理時にCO2を排出
そこで、この技術を用いると以下のような事が実現できます。
・リサイクル可能な資源を純粋に抽出可能=リサイクル可能な状態に選別分離する「後工程」不要
・封止剤(EVA)およびバックシート(有機物)の処理時、CO2の排出ゼロ
熱分解処理の解説
1.過熱蒸気発生装置から熱分解処理炉に過熱水蒸気を供給
2.熱分解装置内を、過熱水蒸気で充満させた状態で、太陽光パネルを投入
3.600度以上の高温の過熱水蒸気で太陽光パネルを加熱
4.太陽電池(セル)を覆う封止剤(EVA)・バックシートを装置内で気化
5.ガラス、太陽電池(セル)、銅線などのリサイクル材に分離抽出
今後の展開
・処理能力拡大と処理コスト低減を目指し、日量50枚程度の装置設計を完了
・装置(製作費1.5億~2億円)製作メーカー及び、装置を導入する産業廃棄物処理業者を募集中
<参考URL>
岡山発。世界初の太陽光パネル熱分解装置で、国内特許を取得本特許を含む新技術により、廃棄パネルを分解CO2排出ゼロで、リサイクル可能な資源を高純度で抽出 2021年11月4日