【コラム】イギリスでも太陽光パネルのリサイクルが課題に
イギリスでも太陽光パネルのリサイクルが課題にあがっています。
※イギリス、ブリストルに拠点を置く環境メディアの「resource」の記事を元に作成しています。
<参考URL>
https://resource.co/article/challenges-solar-panel-recycling
イギリスの導入量と廃棄予測
2021年、英国は新たに730MWの太陽光発電容量を追加しました。全体の容量は2020年から5.3%増加して14.6GW になり、2022年の第2四半期には英国の総発電量の6.4%を太陽光発電が占めているということです。ビジネス・エネルギー・産業戦略省 (BEIS)は4月のエネルギー安全保障戦略の中で、2035年までに英国の太陽光発電の導入が5倍に増加し、全体の量が70GWになると予想しています。
市場の成長が将来に向けて急増し続けるにつれて、廃棄物の山も急増します。国際再生可能エネルギー機関 (IRENA) によると、英国では今後10年間で30,000トンの太陽光廃棄物が発生すると予測しています。
また、原材料の供給に関しても潜在的なボトルネックが迫っています。太陽光パネルのリサイクル業界は、廃棄パネルの台頭に対応し、新しいソーラーパネルの製造をサポートするために、リサイクルシステムを構築する必要に迫られています。
記事では「ソーラー業界の専門家であるSam Vanderhoof氏は、IRENAのデータを参照して、世界的に、太陽光発電(PV)パネルの10分の1だけがリサイクルされ、残りは最終的に埋立地に送られることを示唆」していることも取り上げています。
リサイクルしやすい設計の太陽光パネルを開発
パネルの設計も再利用を念頭に置いて再考されていることが紹介されています。
オランダ応用科学研究機構 (TNO)は、2021年12月に、寿命を考慮して製造された、新しく開発された「リサイクルのための設計」(D4R)ソーラーパネルを明らかにしました。テスト済みの30年の寿命を持つパネルは、コンポーネントを損傷することなく簡単に分解できるように設計されています。今後、この技術を商用および住宅用のフルサイズ D4R パネルにスケールアップするということです。
まとめ
記事では最後に、「商業化に焦点を当てることで有望性を示していますが、必要な規模が満たされるかどうかについては懸念が残っている」としながらも、「商業化の取り組みがうまくいき、完全に回収された材料からパネルを製造する計画が実現できれば、ソーラーパネル業界は強力な循環経済」を構築できるだろうとしています。