トルコ:増加する太陽光パネル廃棄物への対策とリサイクルの必要性
ODTÜ Solar Energy Application and Research Center(ODTÜ GÜNAM)は、トルコ国内での太陽光パネル廃棄物の増加に関する懸念を発表しました。専門家のタイフン・ヒズ氏によれば、トルコには現在4,000万枚以上の太陽光パネルが稼働しており、2030年から2035年には約80万トンの廃棄パネルが発生する見込みです。パネルの90%はリサイクル可能であり、適切な廃棄物管理が経済的・環境的に重要だとされています。
太陽光パネルにはガラス、アルミニウム、高純度のシリコン、銅、銀などの価値ある素材が含まれています。これらを無責任に廃棄すれば、経済的損失や環境への悪影響が避けられません。ヒズ氏は、太陽光パネル製造時に必要な高純度の原材料は限られており、高い炭素排出量を伴うため、リサイクルの重要性を強調しています。
廃棄パネルの最悪の処理方法は埋め立てや焼却であり、ヒズ氏は循環型経済の導入を提唱しています。これは、使用可能なパネルの再利用や再製造を奨励するもので、特にヨーロッパでは「汚染者負担の原則」に基づき、リサイクル費用は電力消費者が負担する形が取られています。たとえば、イタリアでは、政府の支援が終了する際に1枚あたり12ユーロの費用が課せられています。
トルコでも、使用済み電気・電子機器の廃棄物管理に関する規制を導入し、太陽光パネルメーカーや投資家が責任を果たすことが求められています。ヒズ氏は、事業者がパネル設置時から廃棄までを考慮した管理を行うことが重要だと指摘しています。
さらに、ODTÜ-GÜNAMはAhiler Development Agencyと協力し、太陽光パネル廃棄物のリサイクルの技術的・経済的な実現可能性を評価し、持続可能な戦略の策定を進めています。
<参考URL>
https://www.dailysabah.com/turkiye/expert-warns-of-upcoming-solar-panel-waste-surge-in-turkiye/news