欧米での太陽光パネルのリサイクル事例

太陽光パネルのリサイクルでは、意識の面でも技術面でも日本より先進的な取り組みがなされ、欧米は当たり前になりつつあります。

今回は、アメリカとフランスのリサイクル事業者について紹介します。

 

■米ファースト・ソーラー社

ファースト・ソーラーは、ガラスに薄膜セルなどを積層した太陽光パネルという、水平リサイクルの難易度が高い製品にもかかわらず、現時点でリサイクル率90%を実現しているという点が評価されています。

CdTe(カドミウムテルル)を含む材料のリサイクル体制を確立し、米国、マレーシアとベトナムのパネル工場内、ドイツにあるパネル工場跡地にリサイクル施設を備え、そこで処理しています。

セルの材料であるCdTeを精錬して、カドミウム(Cd)とテルル(Te)をわけ、再び製造ラインに投入できる材料に戻して使っているとのことです。

同社の場合、太陽光パネルの製造、出荷、回収、リサイクルまでを、工場で一貫して担うスタイルです。現在、リサイクルしたガラスは他社に販売して瓶などの製造に使われているとのことでした。将来は、ガラスも同社が製造する太陽光パネルの材料として再び使うことを目指しているようです。

 

■仏ヴェオリアグループ

ヴェオリアは、水処理や樹脂関連のリサイクルなどで知られる世界的な大手ですが、太陽光パネルのリサイクルでも存在感を高めています。もともと太陽光関連ではない、こうした環境大手が乗り出していることからも、太陽光パネルの適正処理、リサイクルが当たり前になりつつあることを実感できます。

ヴェオリアのような大手が大規模に事業を展開し始めると、まだ標準と呼べる技術が確立されていない欧州でも、彼らの手法が標準となる可能性があります。

結晶シリコン型パネルは、アルミフレームを外してから、運搬用のカセットに乗せると、自動で分別処理ラインに搬入され、ガラスやセル、金属、その他に分離されるというかたちでリサイクルされます。

 

<参考URL>

https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00007/00029/?ST=msb&P=1

先行する欧州のリサイクル事情、国内企業にも働きかけ、ガラス再資源化協議会に聞く

メガソーラービジネス(2021/02/10)

 

https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/feature/15/305464/121900083/?ST=msb&P=1

使用済み太陽光パネル、「外部積み立てを追い風に、リサイクル技術で革新」、ガラス再資源化協議会に聞く(2018/12/20)

 

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/taiyoko_haikihiyo_wg/pdf/002_02_00.pdf

資料2 使用済太陽光パネルのリユース、リサイクルについて

環境省 環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室(2019/6/6)

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